「これからの美術館辞典」を観て

国立近代美術館にて「これからの美術館辞典」を拝見して来ました。
この企画展は辞典を開いていく様にA~Zのキーワードによって作品などを紹介していく、珍しいタイプの企画展です。

私は特に以下の事にこの企画展の意義を感じました。

[5館による合同展]
普段眼にしない遠方の美術館の所蔵品も鑑賞出来、そちらにも伺いたいと他の美術館への興味にも繋がった事。

[企画展の作り方を紹介]
普通の人は美術館企画展の成り立ちを知らない。ひとつの企画展が出来上がるのにどのぐらいの日数やエネルギーを要するのか、どのぐらい緻密な準備が必要なのか、どの様な人々が関わっているのか、などが分かるとそれだけではなく、観覧料も安く感じられ、鑑賞出来るありがたさも感じられると思った事。
 
[展示空間の工夫]
各ブースを完全に区切るのではなく、壁面の一部を切り取り、そこから隣のブース、もしくはスペース外の空間も望め、あらゆるものがアートにになり得る事を暗示していた事。
ブースを区切る壁面に開口部。そこから外部空間が望める。
開口部をフレームで囲う。向こう側から覗いた人の顏は肖像に、景色は抽象画に?
全体としては、企画展の性質上しょうがないのかもしれませんが、文字による解説が多く、ちょっと教科書を読む感じになってしまいました。
そんな中で、個人的に気に入った作品は

アラヤー・ラートチャムルーンスックによる「ミレーの<落ち穂拾い>とタイの農民たち」
作家の故郷で、ミレーの<落ち穂拾い>を見せて自由に語ってもらったドキュメンタリー的な映像作品です。
‘タロイモ’取ってるのかな?’
‘乾季だから一杯取れるね’
‘火事があったのかな?’
などとても自由な発想で楽しそうにおしゃべりしています。
これこそ、鑑賞の基本!
私はかなり感動しましたが、‘おもしろい!’と笑っている人もおり、それも良しでしょう^^。

美術館のあるべき姿、原点に戻った様なこの企画展は、2015年9月13日(日)までです。

 

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