【アート通信ー4:旧日向別邸ブルーノ・タウト「熱海の家」】

熱海と言えば温泉。
美術好きの人なら、「MOA美術館」というところでしょうか。
そんな熱海に美術好きの人にもあまり知られていない穴場スポットがあります。
それがこちらー旧日向別邸ブルーノ・タウト「熱海の家」ーです。

「旧日向邸」フライヤーより

ブルーノ・タウト(Bruno Taut 1880-1938)は、20世紀初期のドイツを代表する建築家です。
1933年にナチスが台頭するドイツを離れ来日しました。
そして、来日中に出会った[桂離宮]や[伊勢神宮]などの美しさに感銘を受け、本も書いています。(『ニッポン』『日本の美再発見』など)

そんな彼が在日中(1933-1936)手掛け、今も現存する建物は唯一ここだけです。
2006年には重要文化財に指定されています。
その作品(内装設計)はこちらの何の変哲もない日本家屋の地下にあります。

正確にはコンクリート基盤の庭の下にあります。
この庭はコンクリート基盤の上に作られている。
何の変哲もないと言いましたが、この家はアジア貿易で活躍した日向利兵衛が1933年に別邸として建てた家で、設計は渡辺仁([東京国立博物館][銀座和光]なども設計しています)によるものです。
地下へは玄関を入って左にあるこの隠し扉から降りられます。
(現在は閉鎖しており、別の位置から降ります。)

階段を降りるとそれぞれテーマを持った3つの空間に分かれており、かなり細部までこだわったデザインです。
残念ながら内部は撮影禁止でしたので写真でのご紹介は出来ません。
下記サイトの写真を参考にして下さい。

尚、見学は土日のみで予約が必要です。

こちらのお隣には隈研吾さん設計の海峯桜というホテルがあります。 
隈さんは現地視察にいらした際、偶然「旧日向邸」を知り、その海との関係性に感動して海峯桜設計のヒントを得たそうです^^。

*お時間があればNHKドラマ『花子とアン』の撮影にも使われた起雲閣にも足を延ばされたらいかがでしょうか。
見事なステンドグラスやタイルなどに出会えますよ。
「起雲閣」玉姫の間、サンルーム

「起雲閣」玉姫の間、サンルーム



      



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